浅学理論武装

参謀気取りの雑記

就職活動のために読んだ本

就職活動を通して参考にしたり為になったりした本を挙げていこうと思う。

 

はじめに1つ断りをいれておきたいのだが、このブログは自己満足の就活備忘録でしかない。紹介という形で、ただなんとなく書き残したものである。言ってしまえば、「私はこんなに本を読んだぞ」と自慢したいだけのブログである。そのことをどうかご容赦願いたい。

 

ただ、外資総合コンサルティングファームをはじめ外資系ITコンサル・日系大手シンクタンクなど計2桁数の企業から内定をいただけたので、それなりの再現性は担保されている、と思いたい。(新型コロナウイルスで就活市場が一変してしまったので難しいところではあるが)

 

それでは本題に入る。以下の本が読んだ本である。

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タイトル一覧

  • 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
  • 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
  • 考える技術・書く技術
  • 仮説思考
  • 論点思考
  • 過去問で鍛える地頭力
  • 戦略フレームワークの思考法
  • 論理トレーニング101題
  • ビジネスモデルナビゲーター
  • 統計学は最強の学問である ビジネス編
  • イシューからはじめよ
  • シン・二ホン
  • 確率思考の戦略論
  • 苦しかったときの話をしようか
  • 企業参謀
  • ITエンジニアのための業界知識がわかる本 第5版
  • ザ・ゴール コミック版
  • 100円のコーラを1000円で売る方法1,2 コミック版
  • 技術経営入門

 

導入を読んで気付かれた方もいると思うがコンサル志望であったので、コンサルティングファーム志望者が読むといいとされている本が割合として多い。また、自分は主にITコンサルとマーケティングを軸に就職活動を行っていたので、それに関連性のあるものになってる。就活のESや面接などの、どのフェーズでどう参考にしたか、も多少は記述しようと思うが、志望業界に偏ってしまうことをご理解いただいきたい。

 

それでは、各々の本を簡単に紹介をしていこうと思う。

地頭を鍛えるフェルミ推定ノート・問題を解く力を鍛えるケース問題ノート

多くの人が知っているであろう東大生が書いたシリーズの2冊であり、「フェルミ推定」と「ケース面接」をノート風にまとめてある。コンサルティングファームは多くのところでケース面接が課せられるため、その対策として用いられることが多くある。どちらかというとテクニック寄りの本であるが、分かりやすく記述されていて、解説の実問題ベ―スなので取り組みやすい。コンサル志望でなくても、この本で身につく「構造化力」や「数的感覚」はグループディスカッションやインターンのグループワークでも発揮することができるため、読んで損はない。思考の引き出しが多くなり、知識の武器を手に入れることができる。各々100問ほど練習問題がついているので思考トレーニングとしても活用できる。

参考フェーズ:ケース面接、グループディスカッション、インターンのグループワーク

 

 

考える技術・書く技術

言わずと知れた名著。わかりやすい文章を書くためには論理構造が大事であると説き、「ピラミッド原則」と呼ばれる考え方を提示している。いわゆるロジカルシンキングの根本を理解することができ、この思考の仕方を知っているか否かで大きく変わるとも思われる。面接やインターンでのプレゼンテーションなどで、論理的な話し方ができるようになり、簡潔さや説得力が増す。また、少ない文字数でまとなければいけないエントリーシートの際にも、簡潔な文章を書く手助けとなる。ピラミッド原則を意識して話すだけで、脳内で自分自身の話の構造がつかめるのでとても話しやすくなった記憶がある。

参考フェーズ:エントリーシート、面接、グループワークやグループディスカッションのプレゼンテーション

 

 

仮説思考

問題解決のための思考法について述べている書籍。こちらも有名な書籍である。経験的に導かれた仮の答え仮の結論を意識しながら進めることで、物事を効率的に進められる思考法。ビジネスの場面での課題解決は制約時間があり、仮説を立てながらスピーディにざっくり進めるものという、ビジネス的発想を知ることができる。無意識的に行っている方もいると思うが、より体系的に理解することができる。私自身はこの思考過程をガクチカに組み込むことで、エピソードの再現性を担保させることで、説得性を増した。面接官のウケも良かったので、有用であると思われる。(数的感覚がよければフェルミ推定と掛け合わせることで効果がさらに上がる)

参考フェーズ:ガクチカ、グループワーク、グループディスカッション、業界分析

 

 

論点思考

仮説思考と対をなす、問題発見のための思考法について述べられた書籍。時間的制約がある中で成果を出すために必要な「解くべき問題」を見つける方法について述べられている。ビジネスにおける意志決定で大事なことは「何をやらないべきかを決めること」ということが理解できる。仮説思考と同様にガクチカに組み込むことによって、説得性を増していた。また、特に時間的制約が厳しい1day~3daysのインターンは、この思考方法を知っているか否かで、自分自身の価値を発揮できるか左右されると思う。私自身は、インターンで優勝したり最優秀を修めたりとかなり成果を出すことができたので、実体験からして効果的であると考えている。

参考フェーズ:ガクチカ、グループワーク、グループディスカッション、業界分析

論点思考

論点思考

  • 作者:内田 和成
  • 発売日: 2010/01/29
  • メディア: 単行本
 

 

 

過去問で鍛える地頭力

ケース面接対策本。外資コンサルティングファームのケース面接で実際に出題された問題が掲載されている。地頭力といった論理的思考・定量分析・構造化等々を鍛えることができる。よくありがちなフレームワーク本とは異なり、思考の根底を理解することができるので重宝した。東大生が書いたシリーズでもケース面接対策できるのだが、あちらはどちらかというと基礎基本を学ぶ本であるため、現実に則した対策を行いたい場合はこちらをおすすめする。ケース面接対策として一番愛用していた著書であり、ケース面接に関しては一度も落ちたことがないので、かなり再現性は高いと思われる。

参考フェーズ:ケース面接、(グループディスカッション)

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
 

 

 

戦略フレームワークの思考法

フレームワークを知っている状態から使える状態にしてくれる書籍。フレームワークを大きく3つに分類し、根幹となっているアイデアや実例を紹介している。様々な本などで思考方法の根底を学び得ても、即活用するのは難しいと思い、具体的なイメージがわきやすいこの本を活用した。単純にフレームワークを知っているとかっこいいんじゃね?という不純な動機でもある。(コンサルタントフレームワークの使い手だと思っていた時期があった。実際はそんなことはないが、BIG4のインターンではフレームワークを活用したので、全く使わないというわけでは無いと思う)。選考の場でも時折フレームワーク大好きマンがいたが、そのような人と差別化を図り、適切なタイミングでフレームワークを活用する手助けになった。知っているとケース面接やグループディスカッションなどで、知識の武器の1つになるし、かっこいい。

参考フェーズ:グループディスカッション、ケース面接、グループワーク

戦略フレームワークの思考法

戦略フレームワークの思考法

  • 作者:手塚 貞治
  • 発売日: 2008/09/11
  • メディア: 単行本
 

 

 

論理トレーニング101題

問題を軸にした論理構造の解説本。「議論をする」と「論証する」の2つのパートに分かれており、論理的な文章の読み書きをトレーニングすることができる。問題形式ということもあり、主にWebテスト対策として活用していた。対策!というわけではなく、1つの訓練・言語感覚の取り戻しといった感じで取り組んでいたため、正直なところ効果は分からない。ただ、これ以外特にWebテスト対策はしていないものの、Webテストで落ちたことはほぼないので、多少の効果はあったかもしれない。

参考フェーズ:Webテスト

論理トレーニング101題

論理トレーニング101題

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

ビジネスモデル・ナビゲーター

世の中にある様々なビジネスモデルを「55個の型」に整理し、紹介している書籍。単なるビジネスモデルの紹介だけでなく、新たなビジネスモデルへ変革する上での要点や糧を説明してくれている。様々な選考やワークの際に事業の特性やKPIがわかると、多くに切り口から重要な点に絞って議論を進めやすい。学生の浅い経験から0→1を生み出すのはほぼ不可能なので、アイデアの引き出しとして閉まっておくことができる。また、選考が進んだ段階での面接ではやりたいことなど聞かれることがあるが、その際の発言の根拠も増すことができる。

参考フェーズ:ケース面接、グループディスカッション、グループワーク、面接、業界分析

 

 

統計学が最強の学問である ビジネス編

統計学をビジネスにどう生かすことができるか綴られた書籍。私は大学で統計学に関して学んでいたので、その経験とビジネスでの活躍理由を紐づけるために読んだ。昨今はデータ活用が叫ばれている時代なので、そちらの方面に進みたい人は読むのも手であると思う。また、「人事のための統計学」といった章があり、人事がどういった思考で採用をしているかの一部をのぞくことができる。就活における戦略を立てる上でも相手を知ることが重要であると考え、その参考に用いた。余談だが、無印編と実践編もおすすめであるので、統計学について知りたい方は読んでみてほしい。

参考フェーズ:エントリーシート、面接

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン

  • 作者:西内 啓
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である[実践編]――データ分析のための思想と方法

 

 

イシューからはじめよ

問題解決の名著。知的生産性を高めるためには問題を解く前に問題の見極め、すなわち「イシュー」をとらえることが大切であると述べられている。選考に直接影響するわけではないが、社会で結果を残してきた著者の思考方法を知ることができるため、ビジネスマンになる為の心構えができる。面接などでエピソードトークをする際、問題解決の話をする方も多いと思うが、この考え方を知り織り交ぜることで、エピソードの説得性が増すのではないかを思う。

参考フェーズ:面接、ガクチカ

 

 
シン・二ホン 

テクノロジー企業の戦略参謀である著者が、ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望をまとめた渾身の書籍。精緻にファクトを並べてロジカルに論が展開しており、取り上げられているテーマの幅広さと深さが段違いである。これから社会に出ていくにあたって、「この時代をどう生き抜き何を目指すべきか」といった行動指針を改められる。企業を活用してどんな世界を目指したいのか、どんな人生の目的があるのか、その言語化に一役買ってくれる。イシューからはじめよ、と同著者。

参考フェーズ:志望動機、面接

一冊の本をまとめました、、『シン・ニホン』 - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

 

 

確率思考の戦略論

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復の裏に存在した「数学マーケティング」について、詳細に書かれた書籍。ビジネスの成功は確率で決まっており、その確率はある程度まで操作できる、といった「確率思考」がテーマになっている。アナリストとマーケターの2人が著しており、マーケティングの現場ではどのようなことが考えられ、何をしているかの一端を知ることができる。志望動機に若干の具体性を持たせたり、マーケティング企業のワークでの思考などで、役に立った。

参考フェーズ:志望動機、インターン

 

 

苦しかったときの話をしようか

キャリアを考える人全員に当てはまる本質的な問いの本。著者が我が子に向けて書いた文章が書籍になっており、若者がこれから世の中で生きていくために知っておくべき本質とアドバイスが溢れている。特に第3,4章の「自分の強みをどう知るか」「自分をマーケティングせよ!」は、自己分析をするうえでも就活戦略を立てる上でもかなり参考にした。凄まじいスピードで変化していく現代の社会に出ていく中で、自分を見失わないために読んでいてよかったと思う。確率思考の戦略論、と同著者。

参考フェーズ:自己分析、面接

 

 

企業参謀

マッキンゼー日本支社を創りあげた著者による、最善解を導き出すための思考法が書かれた本。著者自身の経験則をもとに「どのように戦略的思考を駆使して経営戦略を立案するか」が書かれている。企業戦略を考える全ての人のバイブル。コンサルタントとは何か、戦略的思考とは何かを1から知ることができる。古い書籍のため難しい箇所や時間的乖離が見られるものの、根底や本質を学び得ることができる。自分自身の5年後10年後のキャリアプランや目標を具体化するのに参考にした。

参考フェーズ:エントリーシート、志望動機、キャリアプラン

企業参謀―戦略的思考とはなにか

企業参謀―戦略的思考とはなにか

  • 作者:大前 研一
  • 発売日: 1999/10/29
  • メディア: 単行本
 

 

 

ITエンジニアのための業務知識がわかる本

法人の様々な業務の全体像を分かりやすく記述してくれている書籍。SEを目指す学生やコンサルタントを目指すSEにむけてまとめられている。イメージや憧れだけで志望するのをやめ、しっかりとした業務理解のもと志望動機などのロジックを組み立てるのに役立った。就職活動をしていくうえで出た疑問点などをこれで理解し知識を深めていた。

参考フェーズ:業務理解、志望動機

 

 

 

ザ・ゴール コミック版

制約理論に関する書籍のコミック版。全体最適を目指すためには、全体のボトルネック、つまり制約に集中して改善することがよいとされている考え方を漫画でまとめてある。現状ITコンサルはプロジェクトの中でも業務改善がそれなりにあるため、その業務理解をするために読んだ。

参考フェーズ:業務理解

ザ・ゴール コミック版

ザ・ゴール コミック版

 

 

 

100円のコーラを1000円で売る方法1・2 コミック版

マーケティングの代表的な理論を、ストーリー形式で解説した書籍のコミック版。マーケティングを知らない人が読んでもわかりやすく理解しやすい。マーケティング業界を志望する上で知っておきたい用語や理論の知識をこれでざっと身に付けた。また、ストーリー形式なので、マーケティング業務の理解も深めることができ、企業でやりたいことの具体性を持たせることに有用であった。

参考フェーズ:業務理解

 

 

技術経営入門

技術経営の入門書。技術展開、技術予測論を考える際の基礎知識や技術戦略を考える際に必要なフレームなどがまとめられていて、全体を俯瞰できる。自身の目標として「技術のわかるコンサルタント」になりたいため、その知識のインプットとして活用した。

参考フェーズ:業務理解

技術経営入門 改訂版

技術経営入門 改訂版

  • 作者:藤末 健三
  • 発売日: 2004/02/19
  • メディア: 単行本
 

 

 

番外編

何者

就職活動をテーマに、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が描かれた小説。就職活動は「あなたは何者ですか?」を幾度となくたたきつけられるが、その心情描写が描かれている。現代を生きる人間の内面の歪みを的確にとらえており、正直なところ胸がえぐられる感覚になるため、必ずしもおすすめというわけでもない。ただ個人的に自分自身を奮い立たせるフレーズがあるため、ここに記載した。

「頭の中にあるうちは、いつだって、何だって、傑作なんだよな」

このセリフはずっと心の奥底にある。就職活動は行動したもの勝ちだと思う。机上の空論を並べていないで傷ついて進むしかないと、身をもって知った。   

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

 

 

 

まとめ

就活に関しては、巷にいわゆる就活ノウハウや就活支援サイトのまとめなど多くの情報がある。「志望動機の書き方」や「ガクチカの書き方」などとまとめられているものもあれば、「ガクチカには数字を入れろ」とか「他人と協力したエピソードがいい」といったアドバイスまで、本当に多くの情報が溢れている。就活当初はそれらを参考にしていたし、中にはとても有用なものもあった。就職活動は誰だって初めてだし、分からないことだらけで何をどう行動したらいいのかわからない。そんな中でそのような情報にあたるのは当然のことである。

けれども、そういった情報は仮に正しいとしても自分自身で思考の深堀をしていないから、どうしてもボロが出てしまう。これは経験からしてもそうであった。「どうしてそうすることがいいのか」を考えないまま、どこかの誰かがまとめた情報を精査せず鵜吞みにしてしまったら、その本質が理解できない。

だからこそ私は、自分自身で考えに考えようと決めた。そしてそのための手段として様々な本を活用するに至った。コンサルタントを目指すならコンサルタントが書いた本を、マーケティングをしたいならマーケティングに携わった人の本を読むのがいいと思ったのである。学生が今までの経験でちっぽけな脳で考えることなんて基本、就職サイトに作り上げらたイメージの範疇を越えない。だからこそ具体的なイメージを掴むための本だった。

たとえ本を読み自分自身で思考し行動した結果が、まとめサイトにあるアドバイスなどと同じであるとしても、その深みが違う。私はそれを就職活動を通して、様々な本を読むことで実感した。私は就職強者でもなければ、アドバイザーでもない。トップティアと呼ばれる企業に受かったわけでもない。ただ就職活動のためにそれなりに思考した自負はあるし、思考を武器にすることでそれなりの結果を出すことができた。その備忘録として本ブログを記すに至った。

 

このブログを読んでくれた方で、今後就職活動に取り組むという方は、参考にしてくれたら幸いです。 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

補足
参考までに私のスペックを。
上位私立大学文系、サークル無所属、非体育会系、海外経験なし、バイト経験ほぼなし