浅学理論武装

参謀気取りの雑記

マルチ商法の勧誘

先日、旧友から久しぶりに「オンライン飲み会しない?」と連絡が来ました。

 

そうです、マルチ商法あるあるの"昔の友人から急に連絡が来る"やつです。

ただコロナ禍でありオンラインなら地理的制約がないため、久しぶりの友人とオンライン飲み会することがそこそこあったので、その時点では特に何も怪しいと思いませんでした。 「行けたら行く」は基本行かないインドアの私でも、オンラインなら参加してくれると誘ってくれる親切な友人が多かったので...(ありがたい話ですね)

 

彼とは久しぶりということもあり、昔話に花を咲かせていました。

勧誘したくて仕方がないという素振りもなく、しばらくは本当にただのオンライン飲み会でした。(今思えば、いきなり勧誘するのではなく少し昔話をしてから話題を振るというのがマニュアルだったのかもしれません)

 

しかしこの後、少しずつ本題に入っていきます。

 

 就職をやめて投資してる

「俺今投資で稼いでるんだよね、ぶっちゃけ結構稼げてて」

「就職やめたってさっき言ったじゃん?投資で稼げてるからなんだよね」と。

どうやら稼いでいるということをアピールしたい様子でした。

 

怪しさ満点ですね。就職やめた?投資始めた?

もうマルチ商法のそれです。逆に引っかかるやつはなんで引っかかるんだよってくらいテンプレのそれでした。

 

先の話題で「就職をやめたんだ」という話され、「へーそうなんだ」くらいに流していたわけなんですが、食いついてこなかったからか自ら話題を振ってきました。笑

 

そのとき私はどんな反応をしたでしょうか。

「え、すごいじゃん。俺も投資ちょっと興味あるんだよね」と。

バカですね。

まんまと乗っかってるじゃん。何も知らない生まれたばかりの赤ちゃんなのかな。

 

言い訳をさせてもらうと、これには色々と原因があります。

主題から逸れるので簡潔に書きますが、自分の周りには多様な人種がいて就職(仕事)をやめるということも投資で稼いでいるということも別に珍しくなかったんです。さらに資産形成という面での投資活動に対しては、社会人になる上で必要不可欠なスキルだと思い、勉強をし始めてる段階でした。

なので、「投資で稼いでる」発言の投資を真っ当な株式投資あたりだと勝手に解釈していました。これがそのわけです。

仮にもコンサル志望なら定義確認ちゃんとしろって話ですね。

 

めちゃくちゃすごい人

私はまんまと話乗っかっちゃったので、とんとん拍子に話がすすんでいきました。

 

「とりあえず話だけでも聞かない?めちゃくちゃ稼いでいる人がいて、俺もその人から話聞いて始めたんだよね」と言われ、会う日を決めることになりました。

 

ただ、その"めちゃくちゃ稼いでいる人"は"とにかくすごい"らしく、"とても忙しい"とやらでなかなか会えないと。けどコロナの影響ですぐの日程なら会えると思うと言われました。

きっと周りに話したりあまり考えさせる時間を与えないためなんでしょう。

 

ここで功を奏した私の性格。

「いやーコロナの間、少なくとも緊急事態宣言下は怖いからやめときたいなぁ」

この発言の真意は、ソトデルノメンドクサイ ヒキコモッテイタイの一点です。

先にも述べた通り、私はインドアなんでね。

 

そこで彼は、

「まじかー、でもとりあえず○○さん(めちゃくちゃすごい人)があってくれるか連絡とってみるわ。無理かもしれないけど、めちゃくちゃお願いしてみるわ」といってきました。

折れませんね、彼。

なので、後日予定調整するということで落ち着きました。

 

投資に興味あるなんて言っちゃってる挙句、勘違いしてる私は

 「(私の名前)なら頭もいいし、絶対稼げるよ。めちゃくちゃタイミングいいじゃん笑」と言ってくる彼と、楽しく笑いあってその日は一旦お開きになりました。

 

俺氏、気付く。

いや~、こんなタイミングで投資の話聞けるなんて神は俺に味方をしている。と少し思い上がりながら、話聞きに行くにあたって失礼が無いように最低限の知識は得ていようと色々調べ始めました。

バカな私はめちゃくちゃすごい人を、めちゃくちゃすごい人なんだと信じていたので。

 

ですがその時に、投資の種類の話を聞くことを忘れていると気づいたんですね。

それで再度連絡を取ろうと思ったのですが、

あれ?でも確か......

俺はFXとバイナリーってやつをやってるんだけど、とりあえず話だけでも...」

なんてことを言ってたと思い出しました。

 

俺氏、気付く。

 

ああああーーーーー!!!!

これ、あれじゃん!マルチ商法ってじゃん!!!

ついにマルチの勧誘来ちゃったかーーー!!!

 

思わず笑ってしまいました。

割と合理主義の私は、付き合ってても意味なさそうな知り合いには壁を作って連絡を取らないようにしてますし、何よりバカが嫌いなのでこういった話をしてくるような友人にほとんどいないです。なのでこの手の勧誘が初めてで、ついに私にも...と変な気分になったわけです。

 

FXとバイナリーオプション自体は別に詐欺とかではないんですが、マルチ商法によくあるやつですし、思い返せば言動が怪しい点ばかりだったのでほぼ確信しました。

 

もうこの段階で面倒くさくなってしまったので、折り返しの連絡をする気もなくそのまま有耶無耶にしてしまおうと思いました。

 

インドアの私 vs お金がほしい彼

私から連絡を一向にしなかったら彼から再度電話がかかってきました。

「この前の話なんだけど○○さん会ってくれるって!!いやー、(私の名前)ラッキーだよ。めちゃくちゃお願いしたらいけた笑」と。

 

特別感を出すことで、誘導してこようとしました。

心理学でいうところのハード・トゥ・ゲット・テクニックあたりですかね。

 

だがすでに面倒くさくなっているので、「やっぱり緊急事態宣言中は無理そうだわ」と建前を言いつつ断る私。就活もあるし勉強もしたい、本読みたいし映画も観たい、何より都内のに行くのが面倒で仕方がない。コロナが怖いのも事実ですが。

  

しかし私の逃げもむなしく、向こうが何度も調整してきます。

「Aの週はどう?」

「無理そうならBの週でお願いしてみるよ」

「都内が怖いならめちゃくちゃお願いしてそっちに行くことお願いしてみる」

 

どんだけお金ほしいんだ、彼。

きっと紹介料とかそれなりにもらえるんだろうな。

そもそも、その"めちゃくちゃすごい人"は"とても忙しい"んじゃなかったのかおい。

 

やんわりと無理であると断っているのに何度も連絡してくる彼は、自分が友達を失っていることに気づいていないんでしょう。

 

マルチ商法に乗っかってみた

そ こ ま で い う な ら 話 に の っ て や ろ う じ ゃ な い か

もうすでにマルチ商法だとわかっているし、契約云々の取り交わしさえしなければこちらが不利益を被ることもないだろうということで、めちゃくちゃすごい人の話を聞きに行くことにしました。

マルチ商法の勧誘初体験ということもあって単純に面白がっていたというのもあります。

この歳で初体験ができるとは人生は捨てたもんじゃないですね()

 

幸い彼も「話を聞いてみるだけでもいいからさ!」と言っているので、その言葉におんぶにだっこさせてもらいましょう。おそらくこの発言もマニュアルなのでしょうが。

 

そんなこんなで彼とカフェで待ち合わせをし、めちゃくちゃすごい人が来るのを待つことに。

 

 

そしたらまず初めに同じ投資をやっているらしい彼の友人くんが来ました。その友人くんも一緒にめちゃくちゃすごい人に頼んでくれたから同席すると。彼曰く、自分より投資を早く始めていてそこそこ稼いでいるらしい。

 

そしておそらくマニュアルの通りに、簡単なアイスブレイクをしてこちらの緊張をほぐそうとしてきました。

「○○大学なんだっけ?めちゃくちゃ頭いいね!」

「就活もう終わりそうなの?え、早いね、さすが(私の名前)優秀なんだね」

など、大学の話や就活の話などとりとめのない内容ばかりでした。

おだてることで心を開かせ、名前を呼び親近感を覚えさせる。よくできたマニュアルだなと感心していました。

ただ残念なことに私は自意識過剰のナルシストなので、どんなに褒められようが「いやそりゃそうだろ、マルチやってるカスに比べたら何万倍も優秀だわ当たり前のこと言ってくんな」としかなりません。

さらに人見知りも全くしないので、緊張のキの字もない。元々人見知りしないのに就活を通して対人スキルが磨かれた私にとってそこら辺のやつは緊張するまでもなかったです。

彼らは全くもって無駄なことをしていました。マニュアル通りではうまくいかないこともあると学んでいてくれたらうれしいですね。

 

ボス猿登場

彼とその友人とアイスブレイクして会話している中で例の人物の会話になりました。

彼が何度も言ってきた人物です。

そう、あの、めちゃくちゃすごい人。

そして彼らは、そのめちゃくちゃすごい人が来るからと少し厳格な雰囲気を出してきました。

 

彼らが言う限り、21歳でタワーマンションに住み、高級外車を乗りまわしていて、ウルトラフェスのVVIPを貸し切ったりしているらしい。

なんだその「ぼくのかんがえたさいきょうのおかねもち」みたいな説明。

ここまで読んでくれた聡明な読者の方はお気付きだろうが、彼らはあまりにもボキャ貧すぎる。聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいに。具体的な話などなく、嘘だらけなのでそうなってしまうのだろうけど。

 

話を戻して、彼らとなんやかんや話しているとついにきました。

 

ボス猿登場

 

登場人物がややこしくなるので一旦整理しておきます。
私の友人→Aくん
投資をしているらしいAくんの友人→子分
めちゃくちゃすごい人→ボス猿
とでもしておきましょう。

 

ボス猿も同様にアイスブレイクをしてきました。大学就職恋愛の話。「それさっきもこいつらに話したんですけど~~」と思いつつ会話をして、優秀なんだねのくだりももう一度やりました。先ほどまではよくできたマニュアルだと思っていたましたが、意外とゴミなのかもしれないです。

 

すごいシステム

アイスブレイクも終わりいよいよ主軸である投資の話へ。

「俺たちがやってる投資はFXとバイナリーオプションの2つで...」

 

はいはいやっぱりその2つ。一応概要は調べていったのですが、ちゃんと説明を聞くことにしました。特に抜けもなく、意外としっかりしていたので拍子抜けしてしまいました。騙される側のリテラシーが高まってるからか、騙す方も進化しているのでしょう。

 

一通りの説明が終わったら本題の話に入りました。

そう、こいつらが稼げている(ということにしている)原因の仕組みの話です。

 

「んで、俺らはいつエントリーするかってのをシステムの指示に従うだけで簡単に稼げるんだよね」

「FXは自動売買システムってのをやってて値幅と倍率はこっちで設定するだけであとはシステムが稼いでくれる」

「このシステムは、5年分のデータを統計で集めてAIで判断するもので、だから俺らは稼げる」

 

キタキタキタキタ......

「A I 」

 

やっと質問できそうなポイントがでできたと歓喜しました。

専門用語を乱立させて説明を行いAIって言葉を用いてなんかすごそうという感想を持たせる。統計って言えば確かにちゃんとやってそうだし、信頼性ありそう。うまいマニュアルだと再度思いました。

 

舐めないでほしい

 

大学で統計とかを学んでいる私にとって、「AI」という言葉はなんかすごそうなものではなく、これみよがしにこの言葉を使うやつは大体何もわかってないバカであるという証拠です。

そもそも「統計で集める」という言葉も意味わからな過ぎて???となりました。

なので私はあとで色々聞いてみることにしました。

 

余談ですがバズワードであるAIは別にすごいものでもなんでもなく、様々な知の結晶かつ技術の結晶である。第三次AIブームはディープラーニングの発展によって起きたブレイクスルーだし、彼らみたいなバカじゃない限りはその概念を理解するだけならおそらくできる。データは21世紀の石油などと言われている現代だからこそ、その概要だけでもしっておくのは損はないと思う。

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

 

そして、「このシステムは他のシステムと違ってテストを2種類やってるから本当に勝てるやつしか判断しない。これが俺たちのシステムが他のシステムと違う強み」と優位性を説明してくれました。だから高いと。

 

肝心のお値段はというと、約50万

 

お高いですね。バイト代月8万だとして約7か月分。簡単に払える金額ではないです。

 

質問ターーイム

システムの説明も終わったら、質問する時間が設けられました。

不安要素を払拭するという名目のもと安心感を与えさせるためでしょう。

 

そこですかさず子分が、始めたきっかけって何だったんですか?と。

「俺も色々と不安だったんだけど、実際のシステムをみて、今までのデータがあってこれならいけると思って」と答えて、子分も「俺も、、、」と言い始めました。

 

さらにお金稼げるようになったことによる変化、人脈などを少し自慢も交えつつご丁寧にお話してくださいました。要するに絶対やった方がいいよと、隙なく念押ししてきました。

 

そんなことはどうでもいい。

私が聞きたいのはAIだ。

もしかしたら天才的なシステムの可能性だってある。

 

だから私は色々質問しました。

「どんな分析をしているんですか?」「時系列分析とかですか?そしたら購入ポイントの予測ってどうやってやるんですか?」「テクニカル指標とかを使ってるんですか」「精度はどうやって判断しているんですか?」「AIって遺伝的アルゴリズムとかですか?」「統計で集めるとは、どんなデータを収集しているんですか?」「コロナ禍でデータがマクロの波にのまれたりしないんですか?」などなど。他にもちょいちょい専門用語混ぜつつ質問しました。

 

 

結果は、、、

なんの成果も得られませんでした!!!

 

ほとんど何も答えてくれない。ぼくちゃん悲しい。

マルチ商法なので当たり前といえば当たり前なんですが、嘘でもいいから売る商材の情報ぐらい頭に入れといてくれ。

どこの営業だってやっているぞ(たぶん)。

 

さらにシステムの詳しい話は次の商談で話す。今回はその前置きだから、投資の概要と稼げる仕組みについて話すことになっている。といった感じではぐらかされてしまいました。商談は代表がでできてお話をしてくれる、なんて説明もされました。

ちなみに代表は"とにかくめちゃくちゃやばい人"らしい。

 

じゃあ...と思い少し別の質問もした。

バイナリーオプションって単純な駆けだとしたら、勝負すればするほど大数の法則で理論的勝率って50%じゃないですか?ペイアウト率が1.88倍なら53%くらいにならないと期待値1超えないと思うんですけど、勝率ってどのくらいなんですか?」

そしたらボス猿が

「~~65%くらいで勝ってると思う」と。

 

んなバカな。笑

面倒くさいので統計的分析はしませんが、感覚的におかしいなと思います。

一応曲がりなりにも分析しているのであれば完全なフィフティフィフティではなく、55%くらいまでなら持っていける気もします。しかしそれでも65%は、あまりにも外れすぎです。

せめてもう少し妥当な数字をいってほしかったものです。

 

この時点で私は飽きてきてしまい、頭の中は「帰りたい」しかありませんでした。

 

なるほどね

質問タイムが終わり、ボス猿が忙しいからと帰宅し、子分とAくんともう少し話して不安を解消する時間になりました。

お金稼いでいるボス猿のはずなのにコーヒー代を払ってくれませんでした。

無駄な出費をしたので憎んでいます。

 

またボス猿がいる場でのらりくらりとかわし商談の予定を決めなかったので、Aくんとかと一旦話してから決めることにもなってしまいました。

 

一番奥の席に座らされており、帰らせないぞ雰囲気がびんびんだったのでどう帰ろうか悩んでいると子分が、

「50万は確かに高いけど全然返せる。俺は4か月くらいで返せたよ」

「確かに悩むよね、不安なことあるなら聞くよ」

「20日間以内ならクーリングオフできるから、試しにやって知識だけ盗むっていう手も全然あり」

と、さも親身になって考えるよ感を出してきました。

 

私が悩んでいるのはそこではありませーーーーん。

50万は確かに高いです。けれども色々あって3桁万円くらいは貯金があるので、一括で払えない金額ではないです。おそらくマルチで借金してマルチする側になった彼らと異なり、借金する必要などありません。

私が金額面で悩んでいると思ったであろう彼らの見当はまったくもって外れています。

なのでいくらそこを後押しされてもなにも変わりません。笑

 

しかしこのままでは帰れないと踏んだ私は、不安があるなら聞いていいというのでせっかくだしと思って

クーリングオフもあってシステム販売会社に月額費を払うわけでもなく利益の一部を徴収するわけでもないのにこの企業はどう稼いでいるんですか?このビジネスモデルってどうなっているのかなぁって不安で。母体がぽしゃったらシステム運用が難しくなってしまわないのかなぁと思ったので」と聞きました。

 

そしたら予想外の質問だったのか沈黙してしまい、でできた言葉が

 「なるほどね~~~~….....」

 

なるほどね、とはwwwwwww

せめてもう少し答えてくれwwwww

私の不安を解消してくれるんじゃなかったのか、子分よ。

 

返答とバツの悪そうな顔に笑いそうになってしまいました。

これが面白くて満足したので、このタイミングで帰ろうと上手くテキトーにごまかすことにしました。

さすがに彼らもうこれ以上は無理だと思ったのでしょう。

帰ることに成功しました。

 

甘い果実などない

今回の話をまとめると、

・約50万円で投資のシステムを購入することができる(システムの個別アカウントが付与される)

・CO期間があって、その期間内なら約50万が返ってくる

・購入すると稼いでる人から様々な知識を教えてくれる場に参加できる

・投資感度が高い友人(人脈)を作ることができる

という話でした。

 

私はその商談とやらに行っていないのでそこに行けばもっと詳しい話をされたんだろうと思います。まぁ一応データ分析畑の人間なので、詳細データとやら見たらもっと笑っちゃう気がします。

 

また、今回株式会社○○や代表の名前などの話もされましたが、それらはすべて嘘でした。特定されて面倒くさいことになるのは嫌なので詳細は記載しませんが、詐欺であるとの記載も見つけました。

 

人を騙してお金を取ろうと暴走した欲はいつか制御できなくなります。

甘い果実なんて存在しないです。

投資自体は悪いことではないので、しかるべき知識を持ってから望みましょう。

 

 

そして今回、Aくんが私を執拗に勧誘してきた事実に悲しくなりました。

Aくんもまだ騙されているのかもしれませんが、もしそうではなく騙せるカモだと思って声をかけてきたのなら残念でしかたありません。

後日お断りの連絡を入れましたが、なんの返答もありませんでした。

きっとわかってやっていたんでしょう。

 

そもそも儲かるのなら、それを活用して自分たちが利益を独占するはずです。

冷静に考えたらわかることです。

なぜこんな簡単なことに騙されてしまうのか不思議でなりません。

騙されるのは単純に無知だからだと、私は思います。

それなりの知識があれば、会話や発言の中に疑問が生じますし、おかしいと気付くこともあります。

しかしだからといって、無知な人を責めるのも違うと思います。

騙す方が悪いのは当然のことです。

 

 

資本主義に生きてるなら弱者からではなく資本家から搾取してやろうくらいの気概は見せてほしいですね。

 

ちなみにこの話を仲が良い友人5人に話したところ、4人が同じような勧誘にあったことがありました。意外と身近なところに潜んでいるかもしれないです。

 

皆さんもマルチ商法にはお気をつけて。

 

就職活動のために読んだ本

就職活動を通して参考にしたり為になったりした本を挙げていこうと思う。

 

はじめに1つ断りをいれておきたいのだが、このブログは自己満足の就活備忘録でしかない。紹介という形で、ただなんとなく書き残したものである。言ってしまえば、「私はこんなに本を読んだぞ」と自慢したいだけのブログである。そのことをどうかご容赦願いたい。

 

ただ、外資総合コンサルティングファームをはじめ外資系ITコンサル・日系大手シンクタンクなど計2桁数の企業から内定をいただけたので、それなりの再現性は担保されている、と思いたい。(新型コロナウイルスで就活市場が一変してしまったので難しいところではあるが)

 

それでは本題に入る。以下の本が読んだ本である。

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タイトル一覧

  • 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
  • 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
  • 考える技術・書く技術
  • 仮説思考
  • 論点思考
  • 過去問で鍛える地頭力
  • 戦略フレームワークの思考法
  • 論理トレーニング101題
  • ビジネスモデルナビゲーター
  • 統計学は最強の学問である ビジネス編
  • イシューからはじめよ
  • シン・二ホン
  • 確率思考の戦略論
  • 苦しかったときの話をしようか
  • 企業参謀
  • ITエンジニアのための業界知識がわかる本 第5版
  • ザ・ゴール コミック版
  • 100円のコーラを1000円で売る方法1,2 コミック版
  • 技術経営入門

 

導入を読んで気付かれた方もいると思うがコンサル志望であったので、コンサルティングファーム志望者が読むといいとされている本が割合として多い。また、自分は主にITコンサルとマーケティングを軸に就職活動を行っていたので、それに関連性のあるものになってる。就活のESや面接などの、どのフェーズでどう参考にしたか、も多少は記述しようと思うが、志望業界に偏ってしまうことをご理解いただいきたい。

 

それでは、各々の本を簡単に紹介をしていこうと思う。

地頭を鍛えるフェルミ推定ノート・問題を解く力を鍛えるケース問題ノート

多くの人が知っているであろう東大生が書いたシリーズの2冊であり、「フェルミ推定」と「ケース面接」をノート風にまとめてある。コンサルティングファームは多くのところでケース面接が課せられるため、その対策として用いられることが多くある。どちらかというとテクニック寄りの本であるが、分かりやすく記述されていて、解説の実問題ベ―スなので取り組みやすい。コンサル志望でなくても、この本で身につく「構造化力」や「数的感覚」はグループディスカッションやインターンのグループワークでも発揮することができるため、読んで損はない。思考の引き出しが多くなり、知識の武器を手に入れることができる。各々100問ほど練習問題がついているので思考トレーニングとしても活用できる。

参考フェーズ:ケース面接、グループディスカッション、インターンのグループワーク

 

 

考える技術・書く技術

言わずと知れた名著。わかりやすい文章を書くためには論理構造が大事であると説き、「ピラミッド原則」と呼ばれる考え方を提示している。いわゆるロジカルシンキングの根本を理解することができ、この思考の仕方を知っているか否かで大きく変わるとも思われる。面接やインターンでのプレゼンテーションなどで、論理的な話し方ができるようになり、簡潔さや説得力が増す。また、少ない文字数でまとなければいけないエントリーシートの際にも、簡潔な文章を書く手助けとなる。ピラミッド原則を意識して話すだけで、脳内で自分自身の話の構造がつかめるのでとても話しやすくなった記憶がある。

参考フェーズ:エントリーシート、面接、グループワークやグループディスカッションのプレゼンテーション

 

 

仮説思考

問題解決のための思考法について述べている書籍。こちらも有名な書籍である。経験的に導かれた仮の答え仮の結論を意識しながら進めることで、物事を効率的に進められる思考法。ビジネスの場面での課題解決は制約時間があり、仮説を立てながらスピーディにざっくり進めるものという、ビジネス的発想を知ることができる。無意識的に行っている方もいると思うが、より体系的に理解することができる。私自身はこの思考過程をガクチカに組み込むことで、エピソードの再現性を担保させることで、説得性を増した。面接官のウケも良かったので、有用であると思われる。(数的感覚がよければフェルミ推定と掛け合わせることで効果がさらに上がる)

参考フェーズ:ガクチカ、グループワーク、グループディスカッション、業界分析

 

 

論点思考

仮説思考と対をなす、問題発見のための思考法について述べられた書籍。時間的制約がある中で成果を出すために必要な「解くべき問題」を見つける方法について述べられている。ビジネスにおける意志決定で大事なことは「何をやらないべきかを決めること」ということが理解できる。仮説思考と同様にガクチカに組み込むことによって、説得性を増していた。また、特に時間的制約が厳しい1day~3daysのインターンは、この思考方法を知っているか否かで、自分自身の価値を発揮できるか左右されると思う。私自身は、インターンで優勝したり最優秀を修めたりとかなり成果を出すことができたので、実体験からして効果的であると考えている。

参考フェーズ:ガクチカ、グループワーク、グループディスカッション、業界分析

論点思考

論点思考

  • 作者:内田 和成
  • 発売日: 2010/01/29
  • メディア: 単行本
 

 

 

過去問で鍛える地頭力

ケース面接対策本。外資コンサルティングファームのケース面接で実際に出題された問題が掲載されている。地頭力といった論理的思考・定量分析・構造化等々を鍛えることができる。よくありがちなフレームワーク本とは異なり、思考の根底を理解することができるので重宝した。東大生が書いたシリーズでもケース面接対策できるのだが、あちらはどちらかというと基礎基本を学ぶ本であるため、現実に則した対策を行いたい場合はこちらをおすすめする。ケース面接対策として一番愛用していた著書であり、ケース面接に関しては一度も落ちたことがないので、かなり再現性は高いと思われる。

参考フェーズ:ケース面接、(グループディスカッション)

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
 

 

 

戦略フレームワークの思考法

フレームワークを知っている状態から使える状態にしてくれる書籍。フレームワークを大きく3つに分類し、根幹となっているアイデアや実例を紹介している。様々な本などで思考方法の根底を学び得ても、即活用するのは難しいと思い、具体的なイメージがわきやすいこの本を活用した。単純にフレームワークを知っているとかっこいいんじゃね?という不純な動機でもある。(コンサルタントフレームワークの使い手だと思っていた時期があった。実際はそんなことはないが、BIG4のインターンではフレームワークを活用したので、全く使わないというわけでは無いと思う)。選考の場でも時折フレームワーク大好きマンがいたが、そのような人と差別化を図り、適切なタイミングでフレームワークを活用する手助けになった。知っているとケース面接やグループディスカッションなどで、知識の武器の1つになるし、かっこいい。

参考フェーズ:グループディスカッション、ケース面接、グループワーク

戦略フレームワークの思考法

戦略フレームワークの思考法

  • 作者:手塚 貞治
  • 発売日: 2008/09/11
  • メディア: 単行本
 

 

 

論理トレーニング101題

問題を軸にした論理構造の解説本。「議論をする」と「論証する」の2つのパートに分かれており、論理的な文章の読み書きをトレーニングすることができる。問題形式ということもあり、主にWebテスト対策として活用していた。対策!というわけではなく、1つの訓練・言語感覚の取り戻しといった感じで取り組んでいたため、正直なところ効果は分からない。ただ、これ以外特にWebテスト対策はしていないものの、Webテストで落ちたことはほぼないので、多少の効果はあったかもしれない。

参考フェーズ:Webテスト

論理トレーニング101題

論理トレーニング101題

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

ビジネスモデル・ナビゲーター

世の中にある様々なビジネスモデルを「55個の型」に整理し、紹介している書籍。単なるビジネスモデルの紹介だけでなく、新たなビジネスモデルへ変革する上での要点や糧を説明してくれている。様々な選考やワークの際に事業の特性やKPIがわかると、多くに切り口から重要な点に絞って議論を進めやすい。学生の浅い経験から0→1を生み出すのはほぼ不可能なので、アイデアの引き出しとして閉まっておくことができる。また、選考が進んだ段階での面接ではやりたいことなど聞かれることがあるが、その際の発言の根拠も増すことができる。

参考フェーズ:ケース面接、グループディスカッション、グループワーク、面接、業界分析

 

 

統計学が最強の学問である ビジネス編

統計学をビジネスにどう生かすことができるか綴られた書籍。私は大学で統計学に関して学んでいたので、その経験とビジネスでの活躍理由を紐づけるために読んだ。昨今はデータ活用が叫ばれている時代なので、そちらの方面に進みたい人は読むのも手であると思う。また、「人事のための統計学」といった章があり、人事がどういった思考で採用をしているかの一部をのぞくことができる。就活における戦略を立てる上でも相手を知ることが重要であると考え、その参考に用いた。余談だが、無印編と実践編もおすすめであるので、統計学について知りたい方は読んでみてほしい。

参考フェーズ:エントリーシート、面接

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン

  • 作者:西内 啓
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である[実践編]――データ分析のための思想と方法

 

 

イシューからはじめよ

問題解決の名著。知的生産性を高めるためには問題を解く前に問題の見極め、すなわち「イシュー」をとらえることが大切であると述べられている。選考に直接影響するわけではないが、社会で結果を残してきた著者の思考方法を知ることができるため、ビジネスマンになる為の心構えができる。面接などでエピソードトークをする際、問題解決の話をする方も多いと思うが、この考え方を知り織り交ぜることで、エピソードの説得性が増すのではないかを思う。

参考フェーズ:面接、ガクチカ

 

 
シン・二ホン 

テクノロジー企業の戦略参謀である著者が、ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望をまとめた渾身の書籍。精緻にファクトを並べてロジカルに論が展開しており、取り上げられているテーマの幅広さと深さが段違いである。これから社会に出ていくにあたって、「この時代をどう生き抜き何を目指すべきか」といった行動指針を改められる。企業を活用してどんな世界を目指したいのか、どんな人生の目的があるのか、その言語化に一役買ってくれる。イシューからはじめよ、と同著者。

参考フェーズ:志望動機、面接

一冊の本をまとめました、、『シン・ニホン』 - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

 

 

確率思考の戦略論

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復の裏に存在した「数学マーケティング」について、詳細に書かれた書籍。ビジネスの成功は確率で決まっており、その確率はある程度まで操作できる、といった「確率思考」がテーマになっている。アナリストとマーケターの2人が著しており、マーケティングの現場ではどのようなことが考えられ、何をしているかの一端を知ることができる。志望動機に若干の具体性を持たせたり、マーケティング企業のワークでの思考などで、役に立った。

参考フェーズ:志望動機、インターン

 

 

苦しかったときの話をしようか

キャリアを考える人全員に当てはまる本質的な問いの本。著者が我が子に向けて書いた文章が書籍になっており、若者がこれから世の中で生きていくために知っておくべき本質とアドバイスが溢れている。特に第3,4章の「自分の強みをどう知るか」「自分をマーケティングせよ!」は、自己分析をするうえでも就活戦略を立てる上でもかなり参考にした。凄まじいスピードで変化していく現代の社会に出ていく中で、自分を見失わないために読んでいてよかったと思う。確率思考の戦略論、と同著者。

参考フェーズ:自己分析、面接

 

 

企業参謀

マッキンゼー日本支社を創りあげた著者による、最善解を導き出すための思考法が書かれた本。著者自身の経験則をもとに「どのように戦略的思考を駆使して経営戦略を立案するか」が書かれている。企業戦略を考える全ての人のバイブル。コンサルタントとは何か、戦略的思考とは何かを1から知ることができる。古い書籍のため難しい箇所や時間的乖離が見られるものの、根底や本質を学び得ることができる。自分自身の5年後10年後のキャリアプランや目標を具体化するのに参考にした。

参考フェーズ:エントリーシート、志望動機、キャリアプラン

企業参謀―戦略的思考とはなにか

企業参謀―戦略的思考とはなにか

  • 作者:大前 研一
  • 発売日: 1999/10/29
  • メディア: 単行本
 

 

 

ITエンジニアのための業務知識がわかる本

法人の様々な業務の全体像を分かりやすく記述してくれている書籍。SEを目指す学生やコンサルタントを目指すSEにむけてまとめられている。イメージや憧れだけで志望するのをやめ、しっかりとした業務理解のもと志望動機などのロジックを組み立てるのに役立った。就職活動をしていくうえで出た疑問点などをこれで理解し知識を深めていた。

参考フェーズ:業務理解、志望動機

 

 

 

ザ・ゴール コミック版

制約理論に関する書籍のコミック版。全体最適を目指すためには、全体のボトルネック、つまり制約に集中して改善することがよいとされている考え方を漫画でまとめてある。現状ITコンサルはプロジェクトの中でも業務改善がそれなりにあるため、その業務理解をするために読んだ。

参考フェーズ:業務理解

ザ・ゴール コミック版

ザ・ゴール コミック版

 

 

 

100円のコーラを1000円で売る方法1・2 コミック版

マーケティングの代表的な理論を、ストーリー形式で解説した書籍のコミック版。マーケティングを知らない人が読んでもわかりやすく理解しやすい。マーケティング業界を志望する上で知っておきたい用語や理論の知識をこれでざっと身に付けた。また、ストーリー形式なので、マーケティング業務の理解も深めることができ、企業でやりたいことの具体性を持たせることに有用であった。

参考フェーズ:業務理解

 

 

技術経営入門

技術経営の入門書。技術展開、技術予測論を考える際の基礎知識や技術戦略を考える際に必要なフレームなどがまとめられていて、全体を俯瞰できる。自身の目標として「技術のわかるコンサルタント」になりたいため、その知識のインプットとして活用した。

参考フェーズ:業務理解

技術経営入門 改訂版

技術経営入門 改訂版

  • 作者:藤末 健三
  • 発売日: 2004/02/19
  • メディア: 単行本
 

 

 

番外編

何者

就職活動をテーマに、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が描かれた小説。就職活動は「あなたは何者ですか?」を幾度となくたたきつけられるが、その心情描写が描かれている。現代を生きる人間の内面の歪みを的確にとらえており、正直なところ胸がえぐられる感覚になるため、必ずしもおすすめというわけでもない。ただ個人的に自分自身を奮い立たせるフレーズがあるため、ここに記載した。

「頭の中にあるうちは、いつだって、何だって、傑作なんだよな」

このセリフはずっと心の奥底にある。就職活動は行動したもの勝ちだと思う。机上の空論を並べていないで傷ついて進むしかないと、身をもって知った。   

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

 

 

 

まとめ

就活に関しては、巷にいわゆる就活ノウハウや就活支援サイトのまとめなど多くの情報がある。「志望動機の書き方」や「ガクチカの書き方」などとまとめられているものもあれば、「ガクチカには数字を入れろ」とか「他人と協力したエピソードがいい」といったアドバイスまで、本当に多くの情報が溢れている。就活当初はそれらを参考にしていたし、中にはとても有用なものもあった。就職活動は誰だって初めてだし、分からないことだらけで何をどう行動したらいいのかわからない。そんな中でそのような情報にあたるのは当然のことである。

けれども、そういった情報は仮に正しいとしても自分自身で思考の深堀をしていないから、どうしてもボロが出てしまう。これは経験からしてもそうであった。「どうしてそうすることがいいのか」を考えないまま、どこかの誰かがまとめた情報を精査せず鵜吞みにしてしまったら、その本質が理解できない。

だからこそ私は、自分自身で考えに考えようと決めた。そしてそのための手段として様々な本を活用するに至った。コンサルタントを目指すならコンサルタントが書いた本を、マーケティングをしたいならマーケティングに携わった人の本を読むのがいいと思ったのである。学生が今までの経験でちっぽけな脳で考えることなんて基本、就職サイトに作り上げらたイメージの範疇を越えない。だからこそ具体的なイメージを掴むための本だった。

たとえ本を読み自分自身で思考し行動した結果が、まとめサイトにあるアドバイスなどと同じであるとしても、その深みが違う。私はそれを就職活動を通して、様々な本を読むことで実感した。私は就職強者でもなければ、アドバイザーでもない。トップティアと呼ばれる企業に受かったわけでもない。ただ就職活動のためにそれなりに思考した自負はあるし、思考を武器にすることでそれなりの結果を出すことができた。その備忘録として本ブログを記すに至った。

 

このブログを読んでくれた方で、今後就職活動に取り組むという方は、参考にしてくれたら幸いです。 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

補足
参考までに私のスペックを。
上位私立大学文系、サークル無所属、非体育会系、海外経験なし、バイト経験ほぼなし